初めての“和モダン”リフォーム完全ガイド|部屋別ポイントと失敗しない進め方
和の落ち着きと、現代的な暮らしやすさ。
その両方を、静かに、しかし確かに感じられる住まい。その中心にあるのが「和モダン」というスタイルです。
昨今、リフォーム・リノベーションの現場では、マンション・戸建て問わず「和モダンを取り入れたい」という声が増えています。装飾を重ねるのではなく、素材・光・動線を丁寧に整えることで、空間そのものの質を高める。そんな価値に、住まい手が改めて目を向け始めているのです。
この記事では、和モダンの基本的な考え方から、空間づくりのポイント、他スタイルとの違い、さらにリフォームで失敗しないための実践的な知識まで幅広く解説します。読み進めるほどに、あなたの住まいにも取り入れたくなる“静けさのある上質さ”が見えてくるはずです。
「リフォーム」と「リノベーション」の違いを整理しておきたい方は、検討前の基礎知識として、以下のコラムもあわせてご覧ください。
▶ リノベーションとリフォームの違いとは?あなたに合う選択はどっち?
和モダンとは何か
和モダンとは、日本の伝統的な美意識と、現代のライフスタイルに合ったデザインや動線を掛け合わせた住まいのスタイルです。畳や障子といった和の要素をそのまま使うのではなく、素材の見せ方や光の扱い方を現代的に再構築することで、懐かしさと新しさが心地よく共存する空間を生み出します。
一見シンプルに見える和モダンですが、その本質は「引き算の設計」にあります。余計な装飾を省き、必要な要素を丁寧に整えることで、自然と落ち着きのある住まいが完成します。

和モダンを形づくる5つの基本要素
和モダンを形づくる要素はいくつかありますが、特に重要なのが次の5つです。
①自然素材の質感
和モダン空間の基盤となるのは、木・紙・土といった自然素材です。無垢材の床や和紙調の壁紙は、時間とともに風合いが深まり、空間に静かな奥行きをもたらします。自然素材が持つ“ゆらぎ”が、機械的になりがちな住まいに温度を与えてくれます。
②直線と余白の美しさ
複雑さを減らし、まっすぐな線と余白で構成された空間は、視線に心地よいリズムを与えてくれます。凹凸の少ない建具や造作家具を取り入れることで、空間全体が整い、落ち着いた印象に仕上がります。
③柔らかい照明
和モダンでは“影があること”も美しさのひとつです。間接照明やブラケットライトで壁に柔らかい光を落とすことで、奥行きと静けさが生まれます。明るさを確保するだけでなく、光の方向や色温度まで含めて設計することが重要です。
④落ち着いた色味
白木、グレー、墨黒などの中間色を中心に色数を抑えることで、視覚的なノイズが減り、空間がすっきりと整います。彩度を抑えた色使いは、素材の質感や陰影をより美しく引き立てます。
⑤建具・造作で統一感をつくる
空間の印象を大きく左右するのが、扉や収納などの建具です。和モダンでは、素材と色を揃えて“揺らぎのない統一感”をつくることで、部屋全体の完成度がぐっと高まります。特に天井高いっぱいまで伸びる引き戸は、視線が縦に抜け、空間を広く見せる効果があります。
和モダンリフォームが選ばれる理由
自宅で過ごす時間が増えたこの数年、住まいに求められる役割は変化しています。
「ただ暮らす場所」から、「心を整える場所」へ。
この価値観の変化とともに、和モダンというスタイルが注目を集めています。
マンションは構造上、壁や天井が直線的で、余白を活かした和モダンスタイルを取り入れやすい特性があります。限られた面積でも視線の抜けをつくりやすく、素材と照明の工夫だけで空間の印象が大きく変わるのも魅力です。
一方、戸建て住宅では、梁や柱といった既存の構造を活かした和モダン化が可能です。古い家でも、構造の良さを残しながら水回りや断熱性能をアップデートし、現代的な快適性を取り入れることで、深みのある住まいへと生まれ変わります。
和モダンは流行に左右されにくいスタイルです。
素材・光・動線という変わらない価値を軸にしているからこそ、時間が経っても古びず、世代を問わず受け入れられるのです。

和モダン空間をつくるための基本設計(素材・照明・色)
和モダンを住まいに取り入れる際、最初に意識したいのが「素材・照明・色」の設計です。どれかひとつが優れていても、調和が取れていなければ、空間の完成度は高まりません。空間全体の調和をどうつくるかが鍵となります。
素材選び
和モダンに欠かせないのは、木・紙・土など自然素材の質感です。たとえばフローリングは、木目がしっかり感じられるオークやウォールナットが人気で、足触りの良さだけでなく、視覚的にも空間の深みをつくってくれます。
壁には和紙調クロスや塗り壁調の素材を選ぶと、光が当たったときの陰影が美しく、空間が単調になりません。さらに、玄関やリビングの一部に石材やタイルを使うと、柔らかさの中に凛とした雰囲気が生まれます。
照明計画
和モダン空間は、光の“強さ”ではなく“方向”を重視します。天井全体を明るくするよりも、壁面を照らすブラケットライトや、天井の縁に仕込むコーブ照明で柔らかな光を重ねることで、空間にレイヤーが生まれます。
また、ダイニングやリビングでは、テーブル面をそっと照らすペンダントライトも有効です。光源が直接目に入らないことで、落ち着いた時間を過ごせます。
色のバランス
和モダンを整えるうえで重要なのが“色数を抑えること”。白木・グレー・墨黒といった中間色を中心に全体をまとめ、家具や装飾の色も含めて“3色以内”に抑えると、視覚的なノイズが消え、住まいの空気が澄んだように感じられます。
明度や彩度を上手に操作すると、素材の立体感が強調され、シンプルな造りでも奥行きが生まれます。
他スタイルとの比較でわかる「和モダンの本質」
和モダンをより深く理解するには、似た方向性を持つ「和風」「北欧」「ナチュラル」などのスタイルと比べてみるのが効果的です。それぞれの“違い”が見えることで、和モダンならではの魅力がより明確になります。
和風(純和風)との違い
和風は、畳・障子・襖・自然素材を“そのまま”取り入れる伝統的なスタイルです。日本の原風景を思い起こさせる魅力がありますが、現代の暮らしや動線、メンテナンス性と合わない場面も出てきます。
一方、和モダンは和の素材や意匠を“再解釈”し、現代の生活に合うよう組み直すスタイルです。たとえば障子はそのまま使わず、黒いフレームを採用してトーンを引き締めたり、和紙調ガラスで扱いやすさを高めたり。伝統を尊重しつつ、暮らしに馴染む形へアップデートしていきます。
北欧スタイルとの違い
北欧スタイルは「光をたっぷり取り込む明るさ」が特徴です。白を基調とした室内に、柔らかな木目や丸みのある家具を合わせ、温かみと軽やかさをつくります。
対して和モダンは、光の量よりも「光の落ち方」に重きを置きます。壁に落ちる影、素材が受ける柔らかな陰影など、曖昧さの中にある美しさを大切にしています。北欧が「明るく軽快」なら、和モダンは「しっとり落ち着いた空気感」が魅力です。
ただし相性は良く、北欧テイストの家具(オーク材など)は和モダンにも自然に馴染みます。
ナチュラルスタイルとの違い
ナチュラルスタイルは、白・ベージュ・ライトブラウンを中心に「明るい木と光」でまとめるスタイルです。親しみやすい雰囲気がありますが、場合によっては単調に見えたり、奥行きが出にくいこともあります。
和モダンは明るさの中に「陰影」を残すのが特徴です。ミディアム〜ダークトーンの木を使いながら、落ち着きを感じられる空間に仕上げます。光を抑えるのではなく、光と影のバランスを整えることで“静けさ”を形にしていく点が大きな違いです。

部屋別に見る和モダンリフォームの実践ポイント
和モダンは住まい全体の統一感が大切ですが、部屋ごとに求められる役割や印象は異なります。ここでは、リフォーム時に特に相談が多い「玄関・リビング・寝室」の3つを例に、どのように和モダンを取り入れていくかを解説します。
玄関:住まいの“第一印象”を整える場所
玄関は、住まいの印象が最も強く表れる場所です。和モダンの玄関では、装飾を足すのではなく「余白を活かす」ことが基本になります。
大判タイルやモルタル調の床にするだけでも、空間全体が静かに整います。そこに間接照明を加えると、光が床材や壁の凹凸に柔らかく広がり、奥行きを感じられる玄関になります。
また、正面に縦格子を設けると視線が自然に誘導され、シンプルながら印象に残る入口に。玄関収納は床の色と揃え、取っ手や金物は黒で引き締めるなど、ディテールを整えることで完成度が一段と高まります。
リビング:家の中心に“視線の抜け”をつくる
家族が集まるリビングは、和モダンの魅力が最も表れやすい場所です。ポイントは、視線の流れと生活動線を整えること。
造作家具を壁面にすっきり納めると、床に物が置かれにくくなり“余白のある暮らし”が実現します。ソファやテーブルは低めの家具を選ぶと天井が高く見え、より広がりを感じられます。
照明はコーブ照明やブラケットライトを組み合わせ、夜は光のレイヤーを楽しむ設計にすると、日常に小さな豊かさが生まれます。また、リビング横に和室や小上がりを設ければ奥行きが生まれ、使い方の自由度も高まります。
寝室:光を抑えた“深い落ち着き”のある空間
寝室は、和モダンの中でも「落ち着きの深さ」が求められる場所です。間接照明を主役にした柔らかな光の構成にすると、入眠がスムーズになり、夜の静けさがより引き立ちます。
壁には和紙調クロスや布地を使うと、光を優しく吸収し、柔らかい印象に。床はミディアム〜ダークの木材が馴染みやすく、空間に穏やかな重心を与えてくれます。
寝具まわりの色数を抑え、白木・グレー・ベージュで整えると視覚の揺れが減り、気持ちがスッと落ち着く寝室になります。
和モダンを“形”にした施工事例
ここまでご紹介してきた和モダンの考え方をもとに、「寛ぎ」と「暮らしやすさ」を両立させた弊社の事例があります。
旅館のような寛ぎを日常に取り入れることをテーマに、小上がりのLDKや和モダンの寝室を設けた住まいです。「小上がり」「間接照明」「格子」「素材と色の統一」が、どのように空間の“落ち着き”として立ち上がるかをご覧いただけます。
▶ 旅館のような寛ぎを日常に。小上がりのLDKと和モダンの寝室
戸建て・マンション別に見る和モダンリフォーム成功のコツ
和モダンは、住まいの形状や生活スタイルに合わせて自由に調整できる柔軟なデザインです。ただし、戸建てとマンションでは“できること”と“注意点”に違いがあります。ここでは、それぞれの住まいに適した和モダン化のポイントをまとめました。
戸建てリフォームで意識したいこと
戸建ては、梁や柱などの構造材を見せることで住まいの魅力を引き出せるケースが多くあります。特に築年数が経った木造住宅では、古い木の質感が和モダンの落ち着きとよく馴染みます。
ただし、水回りや断熱性能は現代の基準に合わせてアップデートすることが重要です。構造の魅力は残しつつも、設備は快適性を求めて刷新する。この「残す/変える」のバランスが完成度を左右します。
また、玄関からリビングまでの距離が長い戸建てでは、照明や建具の統一によって“静けさのグラデーション”をつくると、家全体がひとつの世界観でつながります。
マンションリノベーションで意識したいこと
マンションは構造上、天井高や間取りの自由度に制限があります。しかし、その制限があるからこそ、和モダンの「整った直線」「余白を活かす設計」と相性が良くなります。
建具を天井高まで揃えると空間の縦ラインが整い、スタイリッシュで落ち着いた印象に。また、素材と色を統一することで視覚的なノイズが減り、空間に一体感が生まれます。
壁面収納を効果的に使えば生活感を抑えやすく、和モダンらしい静かな空気感が保ちやすいのもマンションの強みです。

和モダンリフォームで起こりがちな失敗と、その回避方法
和モダンは要素がシンプルなぶん、わずかなズレが空間全体の印象に影響しやすい傾向があります。ここでは、現場でよくある失敗例と回避ポイントを整理します。
よくある失敗例
1つ目「木材の使いすぎ」
温かさを出したいあまり、床・壁・天井・家具のすべてを木でまとめようとしてしまうケースがあります。しかし、木材が多すぎると純和風に寄りすぎたり、重たい印象になってしまうことがあります。
2つ目「照明が暗すぎる」
間接照明を重視するあまり、全体の明るさが足りず、生活しづらい空間になることがあります。和モダンでは柔らかい光が大切ですが、生活に必要な明るさを確保しつつバランスを取ることが重要です。
3つ目「素材を詰め込みすぎる」
石・木・タイル・金属・和紙などを多用すると、落ち着きのある印象が崩れてしまいます。
回避のポイント
素材は3種類程度に絞り、それぞれの質感が引き立つ余白をつくります。照明は「間接光」「スポットライト」「補助照明」を役割で分け、時間帯で表情が変わる光の重なり方を意識すると、暮らしやすさと雰囲気を両立できます。
建具は、扉の高さやラインを揃えると空間に統一感が生まれます。特に引き戸は和モダンと相性がよく、開閉の動作音も静かで、空間の印象を引き締める効果があります。
費用相場とリフォームの進め方
和モダン化は、小規模リフォームでも空間の印象が大きく変わることが特徴です。必ずしも大規模な工事が必要ではなく、優先度の高いところから段階的に整える方法も有効です。
段階的に進める場合の例
まず効果を感じやすいのが「床」と「建具」です。これらを変えるだけでベースカラーが整い、和モダンらしい落ち着きが生まれます。
次に取り入れたいのが「照明計画」。間接照明やブラケットライトを使い、壁面に柔らかな光を落とすだけで、空間の雰囲気が大きく変わります。
最後に、玄関・寝室といった「滞在時間が短いが印象が大きい場所」を整えることで、住まい全体の完成度が高まります。

和モダンリフォームに関するよくある質問(FAQ)
和モダンに興味がある方から、よく寄せられる質問をまとめました。検討段階で多いものを中心に解説します。
Q1. 和室がない家でも和モダンはできますか?
もちろん可能です。和モダンは“畳”が必須ではありません。素材・照明・色の組み合わせでつくるスタイルなので、フローリングの住まいでも問題ありません。
Q2. マンションでも障子や格子デザインは使えますか?
最近はマンション向けの障子風引き戸や格子デザイン建具が増えており、取り入れやすくなっています。機能性とデザイン性を両立した製品も多く、無理なく設置できます。
Q3. 予算が限られていても和モダンにできますか?
小さな工事からでも十分に印象が変わるのが和モダンの良さです。建具交換、照明の見直し、アクセントウォールなど、ポイントを絞ることで費用を抑えながら雰囲気を整えられます。
Q4. 家具は買い替える必要がありますか?
すべて買い替える必要はありません。既存家具の色味や素材が大きく外れていなければ、そのまま活かしながら空間を調整できます。ソファカバーやラグなど、面積の大きいアイテムだけ見直すのも効果的です。
Q5. 暗くなりすぎないか心配です
光の“量”ではなく“方向”を調整すれば問題ありません。間接照明に加え、スポットライトやペンダントライトを組み合わせることで、明るさと落ち着きを両立できます。
Q6. 子育て家庭にも向いていますか?
向いています。和モダンは動線がシンプルで家具の量も抑えやすいため、子どもが動きやすい環境をつくりやすいスタイルです。小上がりを設ければキッズスペースとしても活躍します。
まとめ
和モダンは、素材・照明・色・動線を丁寧に整えることで、暮らしそのものの質を高めてくれるスタイルです。マンションでも戸建てでも取り入れやすく、年齢や家族構成が変わっても無理なく馴染む柔軟性があります。
住まいの中に、そっと余白をつくる。
光の重なり方を調整し、静けさをデザインする。
その小さな積み重ねが、暮らしに深い安らぎをもたらします。
「わが家にも和モダンを取り入れたい」と感じた方は、具体的な間取りや素材選びをプロと一緒に検討することで、失敗のない理想の空間へと近づけます。
リバータスでは、リフォームの多岐にわたる工程を一括して対応し、低コストかつ高品質なサービスをご提供しています。
お客様一人ひとりのニーズやこだわりに寄り添いながら、物件の新たな価値を創出し、快適で安心できる住空間へと生まれ変わらせます。
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