リフォーム・建設現場で余った建材は再利用できる?廃棄を減らす5つの活用方法
リフォームやリノベーション、店舗改装などの工事では、施工後にフローリングやタイル、木材、クロスなどの建材が余ることがあります。
まだ十分使える状態でも、次に使う予定がなければ現場から搬出が必要になることもあり、「捨てるしかないのだろうか」と悩む事業者もいるでしょう。
しかし、余った建材のすべてを、そのまま廃棄しなければならないわけではありません。同じ建物の別の場所で使う、補修用として残す、別の現場へ回す、用途を変えて活用するなど、状態や種類によってはさまざまな選択肢があります。
環境省も、製品や部品をそのまま再使用する「リユース」を、廃棄物の発生抑制や資源消費、環境負荷の低減につながる取り組みとして位置づけています。(参考:環境省)
この記事では、リフォーム・建設現場で余った建材を再利用する方法や、活用しやすい素材、注意点、そもそも廃棄を減らすための考え方まで分かりやすく解説します。
なぜリフォーム・建設現場では建材が余るのか
建材が余ると「発注しすぎたのでは?」と思われることもありますが、実際の建設現場では、工事をスムーズに進めるためにある程度の余裕を持って資材を準備する必要があります。
施工を止めないために予備を含めて発注する
建材は、必要数量ぴったりで発注できるとは限りません。
一定数量単位で販売されている商品もあれば、加工中の破損や施工ミスに備えて予備を確保しておく場合もあります。
工事の途中で資材が足りなくなれば施工を止めなければならず、追加発注によって工期に影響する可能性もあります。そのため、現場では必要数量より少し多めに資材を準備するケースがあります。
加工によって端材が発生する
フローリングや木材、ボード、クロスなどは、施工する場所の寸法に合わせてカットします。
そのため、必要量を正確に計算して発注していても、加工した残りの「端材」が発生します。
大きさが十分にあれば別の部分に使えることもありますが、サイズや形状によってはその現場では使い道がなくなることもあります。
仕様変更や工事内容の変更で使わなくなることもある
工事途中でデザインや設備仕様が変わったり、施工方法が変更されたりすることで、当初予定していた建材が不要になる場合もあります。
こうした資材は未使用のまま残る場合もあり、まだ十分使用できるにもかかわらず、保管場所や次の用途が見つからないことが課題になります。
つまり、余剰建材は必ずしも「無駄な材料」というわけではありません。
工事を安全かつスムーズに進める過程で生じるものだからこそ、余った後にどう活かすかまで考えることが重要です。
余った建材は再利用できる?
余った建材は、種類や状態、保管環境、使用する場所によって再利用できる可能性があります。ただし、「まだ見た目がきれいだから使える」と単純に判断できるものばかりではありません。

比較的再利用を検討しやすい建材
未使用の木材やフローリング、タイルなどは、状態や寸法が合えば再利用を検討しやすい建材です。
たとえば余ったフローリング材を補修用として保管したり、小さな木材を棚や造作家具に使用したりする方法があります。
タイルも、同じ建物の別の場所のアクセントとして活用できるケースがあります。
ただし、製品ごとに施工方法や使用条件は異なります。実際に再利用する際は、施工会社や専門家に確認したうえで判断しましょう。
状態や用途を確認して判断したい建材
取り外した建具や設備、古材などは、状態によって再利用できるかどうかが大きく変わります。
特に古い住宅や店舗をリノベーションする際には、梁や柱、建具などをあえて残し、新しい素材と組み合わせることで、その建物ならではの雰囲気をつくる方法もあります。
一方で、見た目に問題がなくても、内部で劣化や腐食、強度低下などが進んでいる可能性があります。
再利用を前提にする場合は、「残せそうだから残す」のではなく、その場所で引き続き安全に使用できるかを確認することが大切です。
再利用ではなく適切な処理が必要なもの
「余った建材」と「建築廃材」は必ずしも同じものではありません。
未使用の余剰材や状態の良い端材のように再利用を検討しやすいものがある一方、解体によって生じた建材などは、状態や種類によって再利用できない場合もあります。
大きく破損したもの、汚れや劣化が著しいもの、用途上必要な性能を満たせないものなどは、再利用よりも適切な処理を優先する必要があります。
国土交通省も、建設廃棄物の発生抑制・再利用・再生利用を重要な課題として位置づけています。
「何でも残す」のではなく、使えるものは活かし、使えないものは適切に処理するという判断が重要です。(参考:国土交通省)
余った建材を活かす5つの方法
では、実際に建材が余った場合、どのような活用方法が考えられるのでしょうか。

1.同じ現場の別の場所で使用する
まず検討したいのが、同じ建物内で使える場所がないか確認することです。
たとえば余ったタイルを洗面まわりのアクセントに使用したり、木材を棚やカウンターなどの造作に転用したりする方法があります。
当初予定していた用途だけに限定せず、素材そのものの特徴から活用方法を考えることで、廃棄を減らせる可能性があります。
2.補修用として保管しておく
フローリングやタイル、クロスなどは、将来の補修用として一部を保管しておく方法もあります。
施工から数年後に一部分だけ傷んだ場合、同じ商品がすでに廃番になっていることもあります。
同じ建材が残っていれば、部分的な補修でも周囲とのデザインを合わせやすくなります。
ただし、湿気や直射日光などによって保管中に劣化することもあるため、長期間保管する場合は保管環境にも注意しましょう。
3.別の工事や現場で活用する
複数の現場を持つ建設会社やリフォーム会社であれば、ある現場で余った資材を別の現場で活用する方法もあります。
サイズや品番、数量、保管状態などが条件に合えば、新たな資材購入を減らせる可能性があります。
一方で、「どこに、何が、どのくらい余っているのか」を把握できなければ、使える資材があっても別の現場では新品を購入することになります。
余剰建材を活かすためには、資材そのものだけでなく、品番や数量、保管場所などの情報を整理し、必要な現場と結びつける仕組みも重要です。
4.家具・造作・DIYなど別用途に転用する
建材は、本来の用途とは違う形で活かせることもあります。
木材の端材を棚板や小物に使ったり、タイルをカウンターや家具の装飾に利用したりするなど、アイデア次第で選択肢は広がります。
特にリノベーションでは、既存の素材や古材を新しいデザインの中にあえて取り入れることで、新品の素材だけでつくった空間とは異なる表情を生み出すこともできます。
5.必要としている事業者へつなぐ
自社では使い道がなくても、別の会社や現場では必要としている可能性があります。
ここで重要になるのが、「余っている資材」と「必要としている現場」をどう結びつけるかです。
リバータスでは、不要になった建築資材について相談を受け付けており、活用方法の提案や、条件によっては資材を受け取れる場合があると案内しています。(Re’bertas株式会社)
「自社では使えない=廃棄」とすぐ判断するのではなく、必要としている場所がないか探してみることも選択肢の一つです。
建材を再利用することで得られるメリット
建材の再利用は、環境への配慮だけが目的ではありません。
事業者にとっては、廃棄コストや資材購入、資材管理にも関係する取り組みです。

廃棄・処分にかかる負担を減らせる
不要な建材を廃棄する場合、分別や搬出、運搬、処理などの手間や費用が発生することがあります。
まだ利用できる建材を別の用途や現場へ回せれば、廃棄する量そのものを減らせる可能性があります。
ただし、すべての建材を再利用した方がコストを抑えられるとは限りません。
長期間の保管や遠方への運搬などによって、かえって費用がかかるケースもあるため、資材ごとに判断することが必要です。
新しい資材の購入を抑えられる可能性がある
別の現場で必要な資材と、余っている資材の条件が合えば、新品を一から購入せずに済む場合があります。
その際は資材価格だけを見るのではなく、運搬や保管、加工、施工などにかかる費用も含め、総合的なコストで判断することが重要です。
資源を長く使うことにつながる
環境省は、リユースによって製品の使用期間が長くなることで、廃棄物の発生だけでなく、製造時や廃棄時の資源消費、環境負荷の低減にもつながるとしています。
建材についても、「リサイクルして別の原料にする」前に、そのまま使えるものをもう一度使うことができれば、資材そのものの価値をより長く活かせます。
建材を再利用するときに確認したい注意点
再利用にはさまざまなメリットがありますが、コスト削減や「もったいない」という理由だけを優先して判断するのは避けましょう。
品質・劣化・保管状態を確認する
同じ未使用品でも、屋外に長期間置かれていたものと、適切な環境で保管されていたものでは状態が異なります。
水濡れや反り、変形、汚れ、腐食などがないか確認しましょう。
特に長期間保管されている資材については、施工前に専門家へ確認することをおすすめします。
安全性や性能が求められる部分は慎重に判断する
建材には、見た目だけでなく、強度、防火、耐水、断熱など一定の性能が求められるものがあります。
再利用材を使用する場所によっては、必要な性能や施工条件を満たしているか確認しなければなりません。
構造や防火など安全性に関係する部分は、自己判断せず専門家と相談しましょう。
保管・運搬コストまで考える
「捨てるのがもったいないから保管しておこう」と考えても、長期間保管スペースを占有すれば、それ自体が負担になることがあります。
さらに別の現場へ運ぶ場合は、人件費や車両費なども発生します。
再利用する際は、資材そのものの価値だけでなく、保管費や運搬費、施工に必要な手間まで含めて判断することが大切です。
廃棄物として扱う場合は適切に処理する
再利用できない建材を処分する場合は、工事の状況や廃棄物の種類に応じた適切な処理が必要です。
「再利用できない=価値がない」ということではありません。再資源化できるものもあるため、施工会社や処理業者と相談しながら適切な方法を選びましょう。
工事前から「余らせない・捨てない」を考える
余った建材の活用方法を考えることも大切ですが、さらに一歩進めるなら、工事を計画する段階から廃棄を減らすという視点を持つことが重要です。
環境省が示す3Rでも、まず廃棄物の発生を抑える「リデュース」、次に再使用する「リユース」、その後に再資源化する「リサイクル」という考え方があります。

必要数量をできるだけ正確に把握する
建材の余裕を完全になくすことは現実的ではありませんが、設計段階で必要数量を精査することで、過剰な発注を減らせる可能性があります。
施工方法や建材の規格まで考慮しながら数量を計画することが重要です。
既存の建材を残して活かす
リノベーションでは、すべてを解体して新品に交換する必要があるとは限りません。
状態の良い床や建具、梁、柱、設備などを残せる場合は、既存のものを活かしながら新しい空間をつくる方法もあります。
リバータスでも、個人向けリノベーションについて「残す部分と新しくする部分を適切に見極めながら」の住まいづくりを掲げています。(Re’bertas株式会社)
既存のものを残すことは単なるコスト削減ではなく、その建物が持っていた素材感や歴史を次の空間へつなぐ方法にもなります。
余った場合の用途まで考えておく
資材を発注する段階から、
「余った場合は別の現場で使えるか」
「補修材として残しておくか」
「別用途に転用できるか」
「必要としている事業者へつなげられるか」
といったことまで考えておけば、工事終了後に慌てて処分方法を探す必要がなくなります。
資材管理を「購入して施工するところまで」ではなく、最後に余った資材をどう扱うかまで含めて考えることも、建設・リフォーム現場で廃棄を減らすための大切な視点です。
「もったいない」を価値に変えるリバータスの取り組み
Re’bertas株式会社(リバータス)は、「世界の『もったいない』を、自由な発想で新たな価値に変えていく。」というMissionを掲げ、リノベーション、空き家活用、余剰建築資材の活用などに取り組んでいます。
一見異なるこれらの事業には、今ある建物や資材、空間を捨てずに活かし、新たな価値につなげるという共通した考え方があります。

既存の建物を活かすリノベーション
法人向けリノベーションでは、一戸建て、マンション、テナントなどに対応し、予算全体の配分を考えながら、物件の利用目的や事業内容に合わせた価値向上を提案しています。
建物を一度壊して新しくつくることだけではなく、今ある建物の状態を見極め、使える部分を活かしながら新しい価値を加えていくこともリノベーションの大きな役割です。
余剰建築資材の活用相談
リバータスでは、工事現場などで不要になった建築資材について相談を受け付けています。
現在の公式サイトでは、余剰建築資材について活用方法を提案したり、条件によっては資材を受け取ったりできる場合があると案内しています。
「処分するしかない」と思っている建材でも、状態や種類によっては別の活用方法が見つかるかもしれません。
資材を必要な場所へつなぐリマッチの取り組み
リバータスではさらに、建設現場で余った資材や資源を、それを必要とする現場へつなぐ資材・資源のマッチングプラットフォーム「リマッチ」の開発・試行にも取り組んできました。
リバータスが目指しているのは、単に不要な資材を処分することではありません。
建物も、建材も、「今の場所では使わない」という理由だけで価値がなくなるわけではありません。
まだ使えるものを、本当に必要としている場所へつなぎ、新しい価値に変える。
こうした考え方が、リバータスの「もったいない」をまちづくりの力に変える取り組みにつながっています。
まとめ|余った建材を「捨てるもの」にする前に活用方法を考えよう
リフォームや建設工事では、施工上の理由からどうしても建材が余ることがあります。
重要なのは、余った資材をすぐに「廃棄物」と考えないことです。
同じ建物で使う、補修用として残す、別の現場へ回す、別用途に転用する、必要としている事業者へつなぐなど、資材の状態や種類によってさまざまな可能性があります。
もちろん、再利用すること自体を目的にして安全性や品質を犠牲にしてはいけません。使えるものと使えないものを適切に見極めたうえで、できるだけ資材の価値を長く活かすことが大切です。
そして、建材が余った後だけでなく、設計・発注・施工の段階から「残せるものはないか」「余ったらどう活かすか」を考えることで、建設・リフォーム現場から出る廃棄物を減らすことにもつながります。
リバータスでは、法人向けリノベーションに加え、不要になった建築資材の活用についても相談を受け付けています。
「まだ使える建材を処分するのがもったいない」「余剰資材の活用方法を探している」という場合は、一度活用できる可能性を検討してみてはいかがでしょうか。
